2006年08月29日掲載

自分のモノサシを新しくしてくれた留学に感謝しつつ諦めないで夢を追いかけたい
外国に出てみてはじめて、自分と日本が見えてきたように思う
オーストラリアに来てまだ10ヶ月ほどですが「私にとって留学って何だろう」と考えてみると、それは『自分のモノサシを新たにしてくれた経験』でしょうか。これまで日本では自分がどこにいてどこに立っているか位置がわからなかったのに、外国に出たらいろんなことが見えて来ました。
例えば、国のことで言えば日本は捕鯨国ですが、これについて私たちは一般的にそれほど酷いことと思っていない気がします。でも、こちらのニュースでは捕鯨の際の悲惨な映像がストレートに流されていて、その残酷さにびっくり。たぶん日本ではこうした映像は見せないようにしているのだと思います。戦争のこともそう。私は日本がオーストラリアを攻撃したことも知らなくてショックでした。日本で見たり聞いたりする情報は間違いではないですが、多面的に考えるには外国から日本を見るような視点も大切なように感じます。
また、私自身についても無意識な偏見があったことに気づかされました。自分が知らないカルチャーを持つ国の人ほど接するのが怖くて、関わらないほうがいいと。最近テロが多いですが、例えばイスラム圏の人は怖い、とステレオタイプにしか見ていなかったと気づきました。実際に話してみると価値観に大きな違いはなくて、普通に友達になれるのに。「自分が偏見を持っていたこと」が自覚できただけでも、留学して良かったと言えますね。
きっかけは英語を学びたい、そしてその先にある文化に触れたい
もともと私は約4年半ほど日本で働いていましたが、その時に英語がいろんなところでアドバンテージになるのを痛感しました。たまたま、私の周りに英語に堪能な人が多くいて彼らに刺激されたし、英語を使う時は活き活きして視野も広そうに見え魅力的だったので、私も異文化と接してみたいと思ったのが留学のきっかけです。それでも自分が海外で生活していけるかどうか心配だったので、とりあえずワーキングホリデービザで入国、大丈夫そうなら学生ビザに切り替えて本格的に留学する計画でした。
オーストラリアを選んだのは、正直なところ、学費と生活費の安さです。それから、色々な国の人が集まっている、外国人にオープンな雰囲気の国が良いと思っていたので。あとは気候でしょうか。過ごしやすい方が快適ですから。
緊張の連続と不安な時期を越えて、勉強も生活も楽しむ毎日
こちらに来て1ヶ月ほどは、初めてのことばかりで緊張の連続。目新しいものに常に興奮していたし、またオーストラリア人は心の広い優しい人が多いので毎日楽しく過ごしていました。が、その後、日本では罹ったことのない皮膚病になって、ひどい不安感に襲われました。治癒後も不安や緊張が続き、ストレスが溜まっていたせいかこの国の欠点、例えば時間通りにバスが来ない、水不足で自由に使えない等が目につき、1人でイライラしていた気がします。さすがに今は小さな短所にも慣れて、楽しんで暮らせていますが。
グリフィス大学ELICOSのEAPに通っている今、まったく違う環境で育ってきたさまざまな人種が集まって、同じ教室で同じ目標に向かって勉強しているのはいろんな意味で勉強になります。「世界が広がる」という感覚でしょうか。おかげで、日本では遠慮がちだった気持ちもオープンになり、人脈を広げるのが少しは上手になったかな…と。将来、日本で貿易関連の業務に就き、英語を使って仕事をするためにもがんばります。
友達とブッシュウォーキングに出かけたとき撮った一枚
先月、ブリスベン近郊の森に出かけ、友達が「この辺にはすごくきれいな野鳥がいるんだよ」と話してくれた直後、真っ赤な鳥が私の頭の上に! 「そうそう、こんなヤツ」と言って撮ってくれました。この写真を見ると、ついつい思い出し笑いをしてしまいます。
インタビュー後記
「"諦めない限り夢は叶うもの"らしいので、諦めないことが目標」という彼女の夢は、マーケティングのマスター取得。ポジティブに勉強を楽しむその姿勢に、きっと夢も引きつけられてしまう気がします。